親世代のためのデジタル遺産Q&A

親世代のためのデジタル資産の見つけ方:まずは「隠れた資産」をチェック

Tags: デジタル遺産, デジタル資産, 探し方, 把握, 整理方法

あなたのデジタル資産、正確に把握していますか

デジタル遺産の整理を始めるにあたり、「まず何から手を付ければ良いのか」と迷われる方は少なくありません。その最初のステップとして非常に重要なのが、「自分がどのようなデジタル資産をどれだけ持っているのか」を正確に把握することです。

普段利用しているオンラインサービスやアカウントは把握できていても、過去に登録したものの現在は使っていないサービスや、意識していなかったデジタル資産(ポイントや電子マネーなど)を見落としているケースが多くあります。

こうした「隠れた資産」も含め、ご自身のデジタル資産を網羅的に見つけ出すことは、その後の整理や、ご家族への引き継ぎを円滑に進めるための土台となります。ここでは、デジタル資産を見つけ出すための具体的な方法をご紹介します。

デジタル資産とは改めて何でしょうか

デジタル資産とは、インターネット上やデジタルデータとして存在する財産や情報全般を指します。例えば以下のようなものが含まれます。

デジタル資産の中には、財産として相続の対象となるもの、単なる情報として残しておくべきもの、そしてプライバシーに関わるため適切に削除すべきものなど、性質が異なるものが含まれています。これらを一つずつ確認していく作業が必要です。

デジタル資産を見つけ出すための具体的な方法

では、どのようにしてご自身のデジタル資産を見つけていけば良いのでしょうか。以下に具体的なステップをご紹介します。

ステップ1:普段利用しているパソコン・スマートフォンを確認する

ご自身が日常的に使っているデバイスから確認を始めましょう。

ステップ2:主要なメールアカウントの受信履歴を調べる

メールアドレスは、多くのオンラインサービス登録時に使用されます。メールの受信履歴を遡ることで、登録したサービスの手がかりが見つかることがよくあります。

ステップ3:クレジットカードや銀行口座の利用履歴を確認する

オンラインサービスの中には、月額課金制のもの(サブスクリプション)や、利用するたびに料金が発生するものがあります。これらの支払いは、多くの場合クレジットカードや銀行口座から引き落とされています。

ステップ4:スマートフォンの写真やスクリーンショットを確認する

意外と見落としがちなのが、スマートフォンの写真フォルダです。

ステップ5:過去に使用していた古いデバイスをチェックする

現在使っていない古いパソコンやスマートフォン、外付けハードディスク、USBメモリなどにも、過去の重要な情報が残されている可能性があります。

見つけた情報を記録する

これらの方法で見つけたデジタル資産の情報(サービス名、利用状況、関連するメールアドレスなど)は、リストとして記録しておくことが大切です。手書きのノートでも構いませんし、パソコンで表計算ソフトなどを使ってリスト化するのも良いでしょう。

現時点では、ログイン情報やパスワードを同じ場所に記録することは避け、サービス名やメールアドレスなど、アカウントの存在が確認できる情報に留めておくのが安全です。パスワードなどの機密情報をどのように安全に記録し、ご家族に引き継ぐかについては、別の記事で詳しく解説しています。

まとめ

ご自身のデジタル資産を正確に把握することは、デジタル遺産整理の最初の、そして最も重要なステップです。どこから手を付けて良いか分からないと感じていた方も、まずは今回ご紹介した「探し方」を参考に、一つずつご自身のデジタル資産を見つけ出すことから始めてみてはいかがでしょうか。焦らず、ご自身のペースで進めることが大切です。

見つけ出した資産のリストは、その後の整理計画を立てる上で役立つだけでなく、ご家族とデジタル遺産について話し合う際の具体的な資料ともなります。ご家族が「隠れた資産」で困ることのないよう、ぜひこのステップに取り組んでみてください。